Intergalactic Garyは口数の少ないターンテーブル名人だ。彼の盟友I-Fは彼のことを“ターミネーター”と呼ぶが、それほど彼はDJに対してひたむきな姿勢を保つ。彼は決して派手なDJではなく、新曲から70年代のイタロ・ディスコ、あるいは古いアシッド曲を繋げるなど、時代やジャンルを悠々と超えて行く際も決して大げさじゃない。このオランダ人DJはもうかれこれ30年以上レコードを買い、かけるということをしており、非の打ち所のないミックス・スタイルを磨きあげてきた。Intergalactic GaryのDJセットを目の当たりにするということは、楽しむだけではなく教えを受けることを意味する。

Intergalactic Garyという名義で活動する人物の本名はJohn Scheffer。80年代初期にベッドルームでDJを始め、そのうちデン・ハーグの最初のハウス・クラブ、La DSにてDJ活動を開始させた。90年代初期にはLa DSの日曜夜のレジデントとして腕を磨き、同市の空きビル違法パーティーでもDJを行っていた。彼は今やデン・ハーグのエレクトロニック・ミュージック・シーンの礎を築いたひとりとして知られ、デトロイト・テクノ、イタロ、エレクトロといったサウンドを取り入れた“ウエストコースト・サウンド”の代表者でもある。1993年にレコード店Hot Mixで知り合ったI-Fとは音楽的に共感するものを感じ、彼と共に異質なディスコ調エレクトロを制作し、The Parallax Corporation名義で作品をリリースしてきた。

Schefferをリスペクトする層はいつだっていたが、オランダ外からギグのオファーがなかなか来ない時期もあった。彼はシャイであり、インタビューを嫌い、自分でプロモーションをするのが苦手だ。しかし数年前にIntergalactic FMで公開されたNicotine mixと、その後Crème Organizationに提供したミックスが反響を呼び、ここ最近再評価の流れがきている。2015年にはヨーロッパ各地のクラブを廻り、DekmantelやDimensionsなど巨大フェスにも出演し、キャリアの中でもハイライトとなる大活躍の1年を過ごした。

現在彼はデン・ハーグの小さな一軒家で、約5000枚のレコードと数台のシンセ、そして80年代より使っているTechnics 1200に囲まれて暮らしている。自宅を訪れると、彼は煙草を巻き、コーヒーを飲みながら、自身のDJアプローチを語ってくれた。

もう35年近いキャリアを重ねていますが、DJを始めたきっかけは？

15歳ぐらいのときに、デン・ハーグのThe Marathonというディスコティークに行ったんだ。そこでかかっていた音楽に圧倒されたよ。そこのシーンはとてもダサかったんだが、音楽は素晴らしかった。70年代後半のイタロ・ディスコやイタリアンアメリカン・ディスコとか、Giorgio Moroderからもっとオブスキュアなものまで、色々かかっていた。そういった音楽はそれまで聞いたことがなかったんだ。壁際に立ってDJを観察してじっくり聴いていたよ。ダンスフロアで踊ったり盛り上がることはあまりなかったね。初めてレコード店でディスコのレコードを買ってから、おこづかいは全てレコードに消えて行くようになった。DJになろうとなんてそのときは思っていなかったんだ。当時はクラブごとに決まったDJがいて毎週末プレイしていたから、DJになるのは簡単ではなかった。しかしそのうちお金を貯めて、ターンテーブルを購入した。それからちょっとしたミキサーも買って、1台のレコードプレイヤーとポータブル・カセットプレイヤーをミックスして家で録音するようになったんだ。

そのときのセットアップを詳しく説明してもらえますか？

ピックアップとラジオとカセットプレイヤーが一体になった70年代のシステムがあったんだ。両方の方向に2〜3％ぐらい動かせるピッチシフトがついていた。だから限られたことしかできなかった。海賊ラジオからディスコ曲を録音して、カセットプレイヤーを使ってそういった曲をミックスするんだ。スピーカーを持っていなかったから音はテープレコーダーから出ていたよ。

それでミックスの耳を鍛えたんですね。

とても難しかった。今それをやろうとしたらできるかどうか解らんよ。それから2年ぐらい後にようやくちゃんとしたTechnicsのターンテーブルを購入したんだ。そこにあるやつと似たものだ（Technics SL-D2を指差す）。それからMarantzのターンテーブルを買って、それからちゃんとしたミキサーを買った。4、5年ほどあとにSL-1200を買ったんだ。

あなたの本名はJohnです。Intergalactic Garyという名前の由来は？

生まれてから2ヶ月ほど、Garyと呼ばれていたんだ。ニュージーランドの実の母につけられた名前だ。それからオランダの夫婦に養子として迎えられて、Johnと名付けられて、オランダに引っ越したんだ。"Intergalactic"というのは、I-Fと一緒にStar Trekを見過ぎただけさ。

初期に影響を受けたDJは誰でしたか？

The MarathonでプレイしていたふたりのDJ、Eric BenjaminとRens Van Der Marだね。あと、ロッテルダムのレジデントだったからThe Marathonで見たのは一度だけだったけど、Peter Slaghuisにはかなり影響を受けた。Peterはメガミックスで知られていた人だ。80年代初期に「Disco Breaks」というミックスをリリースしたんだ。これは時代の先を行っていた。彼はループを活用したり、クイックなカットインをしていた。ミスもなかったし、流れや勢いがすごく上手かった。これを彼は15分で作り上げてしまったんだ。今聴いても素晴らしいと感じるよ。

Intergalactic Gary

当時、DJを学ぶ上でバックボーンとなったレコードはありますか？

Goody Musicのトラックはイントロやブレイクが長いのが多い。そういったレコードはミックスに最適なんだ。ロングブレイクの部分でイントロをミックスして可能な限りリズムをキープするということをよくやったものだ。

初のDJギグについて教えてください。

当時、ミックステープを作って友人たちに配っていた。デン・ハーグに小さなパーティー・クルーがいて、オーガナイザーのひとりがDJもやっていたんだが、色々と忙しくなってもっとDJを増やしたがったんだ。当時の彼女が私を彼に紹介してくれて、そのパーティーでDJするようになった。最初は1990年とかだった。すごく緊張したのを覚えてるよ。でもうまくいったと思う。

人前でDJをするほどのスキルは備わっていると感じたのですか？

どうなるか全くわからなかったよ。客の人数は多かったし、ビッグなサウンドシステムがあって、家でDJするのと全くワケが違う。それまでは仕事のあと家に帰ってきて夕飯を食べてから、家で2、3時間ぐらいミックスの練習をしていた。しかしクラブだとモニター・スピーカーがあるし、針は飛ぶ。クラブでやったことが無い人にとってはどれも慣れないことだ。勉強になったよ。

あなたは90年代初期にデン・ハーグ初のハウス・クラブ、La DSのレジデントDJになっています。どういった経緯があったのですか？

あれはとても重要なことだった。1989年にオープンしたのだと思う。当時のレジデントDJは木曜日から日曜日までやっていたんだが、4日連続は大変すぎるということで日曜日を私がやることになったんだ。始めたとき、日曜日は全然盛り上がっていなかった。店は夜中の12時にオープンして、午前4時までやっていた。エントランスはフリーなんだが、近所に午前2時までやってるカフェがあって、2時前はほぼ人が入ってなかった。カフェが閉まると、少し人が入ってくる。彼らは角に座ってクサを吸ってコーラか酒を飲むんだ。彼らをダンスフロアに呼ぶには、ヒット曲をかけるしかなかった。Felixの"Don't You Want Me"などね。しかし次の曲をかけると、また彼らは席に戻ってしまう。イライラしたものだ。あと店の人にもっとヒットをかけて欲しいとか、曲が暗すぎてインストが多すぎると言われた。しかしレジデントDJにはかけたいものをかけるよう言われていたよ。

状況が好転したターニングポイントはありましたか？

ああ、だいたいその1年ほどあとのことだった。とある夏の夜で、20人かそこらの人々が来ていた。オープンからクローズまでずっとひとりで踊ってる女の子がいたんだ。DJが終わったあと彼女に話しかけられて、毎週日曜日に回しているのかと聞かれた。そうだと答えると、彼女は普段日曜日に友達とアムステルダムまでクラブ遊びに行っていたが、こういうプレイを毎回しているならもうアムステルダムに行く必要はないと言った。「来週、友達を連れてくるわ」と彼女。私は、きっと酔っぱらっているかハイで調子の良いことを言っているだけで、もう2度来ないのだろうと高をくくっていたが、次の週12時過ぎに15人友達を連れて彼女が来てくれたんだ。そして彼らは私のDJですごく盛り上がってくれて、気づいたら毎週日曜日に来る固定客ができていた。店の人達はちょっと驚いていたと思うよ。それからあっという間に変わった。毎週日曜日20人だったのが、400人に膨れあがったんだ。

Intergalactic Gary

デン・ハーグでは当時どういうサウンドが流行っていたのですか？

90年代初期のデン・ハーグにはふたつのシーンがあった。まず、ハードコア寄りのガバのシーンだ。それから、よりメロウなハウス・シーンがあった。しかし当時のデン・ハーグのレコ屋とかに置いてあったものや、運営している人々とか一般の人が聴いている音楽はちょっと毒がなくてつまらないと感じていた。だから私はアムステルダムやロッテルダムのレコ屋に行っていたよ。ダークなものが好きだったんだ。通常、私が日曜にかけていたようなレコードを聴きたかったら、違法パーティーかベルギーなどに行かないと聴けなかったんだ。

ダークなサウンドとは、具体的にどういった音楽ですか？

80年代後期と90年代初期のデトロイト・テクノ、エレクトロ、シカゴ・ハウス辺りだね。誰もかけていなかったんだ。変すぎて、オブスキュアで、クラブ向けじゃないと考えられていた。今ではそういったことは誰も言わない。人に知られていない音楽は変とか、ドラッグ・ミュージックとかそう呼ばれていた。アシッドの曲をかけたら、騒音だと言われるんだ。あとはスクワット・パーティー（註：空きビルを占領して行う違法パーティー）でもDJしていたんだが、そういうところはクラブとはまたちょっと違う選曲で、ダークなテクノをかけていたね。

スクワット・パーティーとクラブでは、プレイがどう異なりましたか？

クラブのレジデントDJとして回すことで、ミックスのスキルとかを磨くことができた。あとはまぁ、客を読む力もついたのかな。サウンドシステムでのミックスの仕方というのを学んだ。しかしI-Fのレコ屋、Hot Mixに買い物に行ったとき、デン・ハーグの店よりも全然面白いレコードが沢山あったんだ。そういったレコードをかけたかったんだが、そういった曲はレジデントをやっているクラブでかけるには難解すぎて、ダンサブルじゃなかった。そんなのをかけると、フロアがガラガラになってしまう。あるときからスクワット・パーティーに誘われるようになって、そういったレコードをかけ始めた。Unit Moebiusの"Panta Rhei"、The Martianの"Star Dancer"とか。スクワットとクラブ両方に来る人もいたけど、だいたいは客層が別で、全く違うシーンだった。

スクワット・パーティーにはどういった人々が来ていましたか？

色々な人がいたね。しかしコンクリート造りの暗い地下室でスモークとか焚いていてどういう人が来ているのかよく解らなかった。もちろん空きビルの住人とか、オルタナティブな人々が来ていた。もちかしたらフットボールのフーリガンもいたかも。

ガバのシーンと重なる部分はあったのですか？

それは全く違うシーンだったね。あと、当時テクノの定義が今と全く違っていた。あるとき、ビーチのテクノ・パーティーにブッキングされた。客は主にフーリガンだった。デトロイトのテクノばかりかけていたら、10人の男たちが近寄って来て「なあ、いつになったらテクノをかけてくれるんだ？」と言われた。「テクノをかけてるじゃないか」と言うと、「いや、これはテクノじゃない。（L.A. Styleの）“James Brown Is Dead”がテクノだ」と言われた。

La DSでのレジデントのギグは4年間続きました。何故終わったのですか？

まぁ、人気が数年しかもたなかったんだ。飽きられたのかな。映画館の跡地にAstaという大きなクラブがオープンして、そっちのほうが新鮮で面白かったんだ。そっちに人が行くようになって、うちから客足が遠のいた。それから以前と同じく、20人ぐらいしか来なくなった。もう楽しくないと感じたから私は辞めたんだ。

それから2、3年レコードをあまり買わなくなった。するとロッテルダムにClone Recordsがオープンしたんだ。Hot Mixがなくなることでできた空白を埋めるべくオープンした店だ。その店に通うことでまた音楽にハマりだした。レジデントDJを辞めた時、音楽的にもう面白いと感じられなくなっていた。しかしCloneでは他でなかなか見つからないレコードを輸入していて、それがきっかけでまた音楽仲間とつるむようになり、また音楽に興味を持ち出したんだ。

I-Fとはどういう経緯で共に活動をするようになったのですか？

Hot Mixの店で意気投合したんだ。彼はプロデューサーをやっていて、レコードレーベルも立ち上げていて、プロデュースをやっているか？ときかれた。私はイタロのドラム・ループをサンプリングした自作曲を彼に渡したんだ。彼はすぐに元ネタを解ったよ。そのとき何か繋がるものを感じたね。彼が店を畳んだあとはしばらく会っていなかったんだが、Cloneがオープンしてからまた会うようになった。そのとき一緒に（The Parallax Corporation名義で）制作するようになったんだ。お互い過去の音楽を深く掘っていた。I-Fはすでに古いエレクトロやイタロなんかを沢山よくかけていて、それはデトロイト・テクノとよく合う電子的なサウンドだった。だからスタジオでの制作の合間、お互いのミックスをかけて刺激をもらい合った。彼は私が知らないトラックを沢山知っていたし、私が持っていたものも彼が初めて聴くものが多かったんだ。

現在あなたの自宅にある機材について教えてください。

Ecler Nuo 5のミキサーと、80年代に購入したTechnics 1200をまだ持っている。あとひとつCDJ-850があるがほぼ使っていない。今レコードをデジタル化していて、そのうちアナログとデジタルを組み合わせてDJしたいと思っているんだ。

クラブでDJをするときはどういった機材環境が好きですか？

E&Sのロータリー・ミキサーが大好きなんだ。3回だけ使ったことがあるんだけど、音が素晴らしいと思う。とても滑らかな繋ぎができるし、出音がとても温かい。やっぱりターンテーブルでDJをするのが一番だ。

ヴァイナルだけでなく、デジタルでもプレイしたいとおっしゃいましたが、それは何故ですか？

例えば使い古した針を使って針が飛ぶときなど、デジタルでプレイできるのもアリだなと思うね。あと、シンセもののレコードだとプレスの音量が低かったり、テープから録音されたもので音質が低かったりする。デジタル化すれば音量や低音を上げたりエディットを作ることも可能だ。

ご自身のミックス・スタイルをどう説明しますか？

曲が合うときはロングミックスをやるのが好きだね。あと異なるスタイルを混ぜるのが好き。いつもやってるワケじゃないが、とにかく何でもありだ。ひとつのスタイルから別のスタイルへといつでも切り替えられるようなプレイが好きだ。ディスコ・レコードからテクノやエレクトロへと繋げたり。あと同じミックスを1度や2度以上繰り返さないようにしている。

あなたのDJのひとつの特徴に挙げられるのが、33回転のレコードを45回転のボタンを叩いて若干早めることです。これにはどういう理由があるのですか？

たまにやってるちょっとしたテクニックなんだ。最初にこれを見たのは、DMCのDJ大会だった。33RPMのレコードでしかできないんだ。すこし曲が遅れているとき、33のボタンを押したまま45のボタンをタップすると若干早めることができる。しかし高音やハイハットの部分でやるとあからさまだからやらないほうがいい。ちょっとだけ曲が遅れているときにしか上手くいかない。結構遅れているときは、あまり効果的なスピードアップの方法ではないんだ。電気ショックみたいなもので、ビートの間の丁度良い瞬間にやらないとダメなんだ。

プラッターを触ったりピッチコントロールを使うのではなくこのテクニックを使う理由はあるのですか？

全てやるよ。その瞬間によるね。それをやったほうがいいと思う瞬間があるんだ。ピッチを使うのが結局はベストだ。プラッターを押したり触ったりすると高音に変化が出たりするから、気をつけないといけない。

ギグの前はどういう準備をしますか？

たいていの場合、家でまずレコードを選んでおく。それからミックスをやってみてキープしたいか外したいか考える。たまに持ち出すこともあるけど、家に1年ぐらい眠ってるレコードとかもある。丁度良い瞬間を待っているのかもしれない。ギグにあまり沢山レコードは持っては行きたくないんだ。レコードは60枚以上持って行かない。60枚あれば5時間プレイできる。レコードが多すぎると、かけたいものを見つけるのが大変だから、コンパクトにしておきたい。あと準備しすぎると考え過ぎてしまって、フィーリングじゃなくて頭を使ってDJすることになってしまうと思う。

最近は新曲をどうやって見つけていますか？

レコードはたいていCloneで買っているよ。毎日サイトで新作をチェックしているんだ。レコードを取り置きしてもらって、月に一度行って改めて聴き返して、買うものと買わないものを選ぶ。本当に必要だと思うやつだけ買って行くんだ。10枚買ったとしたら、家に帰ってとりあえず順番にミックスしていく。そうやって吸収して、その曲が自分のセットのどの部分に当て嵌まるか掴むんだ。

YouTubeで色々と曲を見つけて聴くときもある。あと、友人から音楽が送られてきたり、オススメのアーティストを教えてもらったりするときもたまにある。そういうときはアーティスト、レーベル、そして過去作なんかを遡って聴くんだ。

現在の音楽コレクションについて教えてください。

家で聴いているデジタル・コレクションがある。以前から持っていたレコードをデジタル化したものだ。あまりにレコードが多くて、レコードの量を以前減らしたんだ。もっと大きかったアパートからこの小さな所に引っ越すときに、「本当に必要なものは何だろう？」と自分に問いかけた。沢山売って、残った今のコレクションが完璧だと思う。1万枚ぐらいのレコードを持っていたことがあるが、今は5000枚程度だ。そのほうがかけたいレコードが見つけやすいんだ。

レコードバッグに常に入っている定番はありますか？

East Wallの"Eyes Of Glass"なんかがそうだね。しかし同じレコードをあまり頻繁にかけないようにしているんだ。じゃないと飽きるから。

DJをするのが大好きな場所はありますか？

ダブリンやグラスゴーが好きだね。客層がワイルドで良いんだ。彼らは躊躇することなく、店に入ったらまずビールを買って、それからフロアで暴れる。パーティー・マインドな人々だし、しかも音楽の知識もある。あとアテネとかザグレブだね。グッド・ミュージックを求めている人はいるのにあまり簡単に手に入らないような場所だと、行くと凄く歓迎されるから楽しいね。すごく感謝されて、とても達成感があるんだ。

DJをやることにおいて、最も大変なことは何だと思いますか？

そんなにないと思うよ。とても楽しいことだと思う。大変なわけではないが、フラストレーションを感じるのは、自分のかけたいものが踊りに適してないとか、変だと思われて、もっとハードなものや速いものを求められているときだね。あるいは、かけているものを客が知らなくて、「もっと有名なものかけてくれない？」とか言われる瞬間。しかし文句は言えないよ。

DJに関することで最も心に残っているアドバイスは何でしたか？

本当にかけたい音楽をかけろ。歩み寄る必要も、妥協する必要もない。

若手のDJにアドバイスをするとしたら？

プラッターを触らないで、ピッチだけでミックスを調整してみろ。そして人に感銘を与えるようなセットをやりたければ、自分が感銘を受けた音楽をかけろ。そして、客が求めていることを考えすぎてはダメだ。